トラブル・トラベル-遠征記録10-

1月27日。
熱下がり、いざ出発。
丸一日寝て過ごしましたから……祝、回復。

順風、追い風。
足が止まってしまった分、進め~進め~
村を越え、調子良く波に乗っていました。

ん?
うねりが大きくなってきたことに気づいた、昼前。
岬に差し掛かっていた。
波はどんどんと大きくなり、波頭がシャワシャワと音を立てていた。

大地の木々は低く、沿岸に長く延びていた。
空は白く曇り、マングローブのシルエットと
濁った海水の大きなうねりが、記憶に残っている。

もうすぐ岬をまわるかどうかというところだった。
大きなうねりが左手から崩れ、カヤックに体当たりした。
体重移動が出来ず、カヤックはそのまま上と下が逆さになった。

自分が水に入るまで、スローモーションのように見えていた。
沈脱してみれば、あらためて波が崩れていることがわかる。
容赦なく、頭の上から波が降ってくる。
岸に寄りすぎてしまっていたのかもしれない。

まず目に飛び込んできたのは、流れていく帽子。
どんどんと遠くなっていった。
そして、かたっぽのサンダル。

あ!っと思って手を伸ばした瞬間、
崩れた波に二人ともサングラスを盗られてしまった。

初海外遠征の初沈。私は軽いパニック。
「まず、どうしようか。」という思考回路になるまで、少しかかる。
番頭はそんな私の目にも、ヒジョウ二冷静に映っていた。

カヤックに馬乗りになり、再乗艇を…と思ったが、
大量の水が入っており、次から次に来る波を考えると、排出は無理だった。

最初は浮かび気味だったカヤックが、だんだんと沈んでいた。
気づくと、前後のハッチが空いている……?……全水です。
金具は留まったまま、くるくると巻いていた部分がスポーン!とまっすぐになっています。

沈むのか、沈まないのか、ギリギリのところで
「ここでカヤックは捨てたくないな…捨てたくないな…」と番頭。
しかしカヤックは、どうやらドライバッグの浮力で沈むことはなさそうだった。

満水の風呂のようなカヤックの、前後をそれそれが持ち、陸へと引っぱり、泳ぐ。
フィンを探したが、すぐには見つからなかった。
諦めて、そのまま押し、引き、泳ぐ。泳ぐ。泳ぐ。

少し離れたところに、見慣れたものが浮いていた。
「ドライバッグ!」
波とのタイミングを見ながら、番頭が捕まえにいこうとした時…
大きな崩れ波が、あっという間にさらっていった。

なんとか海底に足が付き、カヤックを陸へと引っぱりあげる。
荷物を出し、無いものチェック。
サングラス、番頭の帽子、サンダル片っぽ、
そして、流されたドライバッグの中身はサプリメント一式。
まだ、2日しか食べてないのに!
お米のバッグも水没していた…ネズミめ…。

上がれそうな村まで、今から漕いでも夕方には間に合う。
早々に立て直し、出発した。

『私にとっては、今日までの人生、最大の大波だ』
といえば、

『俺といることが最大の大波だ』
という。

そりゃそうだ。と納得。

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コメント

  1. わし より:

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    ジュゴンちゃんの表現力に「座布団三枚」!
    番頭の最後の返しにも「座布団三枚」!
    続きが楽しみですo(^▽^)o。

  2. Dugong より:

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    PASS:
    座布団ありがとうございますー!
    いつも見て下さって、ありがとうございますヾ(@°▽°@)ノ

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