雨期のこの季節、西風の吹く季節でもあった。
気温が上がる昼頃から風は強まり、
午後には白波が沿岸を洗うといった感じだった。
出発した場所から比べると、午後の波は移動していくほどに
大きく、波数も増えているような気がした。
地図では小指の爪先もないような岬も、緊張の連続だった。
『午後には風が吹いてくる』
風が吹けば、うねりは崩れる。
途中から、作戦を変更した。
漕げるだけ漕いでも、上陸できるところが見つからない可能性がある。
この先、いくつかある岬は、朝凪のうちに越えたい。
朝は日の出とともに出発し、距離を稼ぐ。
午後、風が上がる前に上陸できそうなところを見つける。
岬の手前で夜を明かし、朝早くそれを越える。
途中、カジの効きが悪いことに気づく。
後ろを見ると、ラダーが浮いていた。
風波も少しあったので、一旦上陸して調べてみると。
ら…ラダーの土台部分にヒビが…。
応急処置しようとするも、適当なヒモが見つからず、
私のズボンのウエストに入っていた、ヒモを使って縛った。
本日はここで停滞。
村の集会所らしい。
ゴザが何枚も積んであり、多分お祈りのときに使うものだ。
『これを敷いて休んだらいいよ』 と男の子が言ってくれたので、
遠慮なく拝借。この上にテントも建てさせてもらった。
タイルは冷えた体にはつらいが、ゴザが一枚あるだけで、暖かい。
周りは水田と、フィッシュポンド(海老や魚の養殖池)で囲まれており、
村まではすこし距離がある。人もまばらだ。
ジャカルタを出てから、一番普通の、一番静かな夜。
晩ご飯がパンでも、全然いい。
ゆっくり眠らせてもらった。
お腹が重くって、動けないニャァ~




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