背後の絶壁の溝を天然水が流れている。
沸かして飲む必要はなく、皆、直接飲んでいた。
少し茶色だったが、僕も生水を飲んだ。
石垣島の水より美味しかった。
水があるということは、とても重要だ。
いつでも体を洗うことも出来る。
暑い気候の為、一日に何度も水浴びをする。
清潔を保てるし、食物を育てられる。
人の食事にも困らない。
インドネシアのパプア州を航海していた時のことを思い出す。
真水がなかった。
川の水は、河口から何百メートル遡っても海水が混じっている。
雨が頼りだ。
体を洗うのは、海だった。
潮まみれの体と服が擦れて、皮膚が破ける。
泥が着いた足の毛穴が膿んで、歩くと痛かった。
それでも人が住んでいるのだと、驚いていたこと。
衣食住が充たされていて、自分の手と足で全てを調達できること。
親が、子供を育てる為に、食料をとってくる姿。
子供達が、大人と一緒に生きようとしている様子。
それぞれが、出来ることに一生懸命だ。
人間が生きる様を眺めていた。
物が大量にあり、便利な物も大量にあり、娯楽もあり、ジャングルよりはるかに安全が確保されている自分の街。一見、何も不自由がないのに、不自由な感じを受けてしまうのは、どうしてか、と思ったりする。
あまりにも、素晴らしい集落なので、1日停滞することにした。
翌日、海を潜ってみる。
水温は、30度くらいあるだろうか。
2時間浸かっていても、寒気がこない。
海は少し濁りある。
魚が少ない。
毎日、集落の人々が魚を獲っているからかもしれない。
それとも、たまたまポイントが悪かったか。
魚種は、ベラからブダイ、ハギ系の魚。
どれも揚げてしまえば、食べれるのだけど、日本ではあまり食べる習慣がない。
生で食べる習慣は、この島にはなかった。(他の島にはあった)
地元の人は、プラスチックの板に穴をあけ、自分で足ヒレを作っている。
浜に打ちあがった、ポリタンクを切り出したのだろうか。
始めてみる足ヒレだ。
しならないヒレで器用に潜る。
深く潜る必要がないから、激しい潜水はしない。
銛、これも自作の水中銃型。
部品だけを街で購入して、自分で作っているのがよくわかる。
生きる道具は、これで十分なのだ。
沖へ出れば、潮の流れもあり起伏もある。
最新船や魚群探知機など使っている人はいないので、間違いなく魚は多いのだろう。
が、それらを追う必要はないのだ。
人が生きる為に、魚を獲るくらいなら、大きな仕掛けや大きな船はいらないのである。




コメント
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こういう地元の人の話って、良いですよね。去年の台湾遠征はカヤックの話しかなかったけど、今年のはこういうところが魅力的ですね。がんばって本を出してください。
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最後の一行まったくその通りなんですね。
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現地の人の笑顔がいいかんじです。
足ひれも、不思議な形だけど、ちゃんと使えそう。
水中銃まで作ってしまうとはすごいですね!
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お久しぶりです!3月にお世話になったものです!
フィリピン~台湾遠征お疲れ様でした。
地元の中日新聞に八幡さんの記事が載っていてビックリして友達と興奮していました!!
僕も今社会の荒波に飲み込まれそうになってますが、乗り越えてまたいつか石垣島にいける日を楽しみにしています。
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地球は面白いです。
いろんな世界を見せてくれます。
どんな形でも、皆、生きてますよね。
身の丈+10センチくらいを見て、
無理せずいこうと思います。