フィリピン~台湾遠征 その4

バブヤン海峡

漁師の話では、上げ潮では西へ、下げ潮で東に海が動いているという。

この話に間違いはなさそうだ。

現在地は、目的の島より西に位置している。

海は西に流れてい筈だ。

とすれば、沿岸沿いに東へ移動し、最短距離を北に上がればいい。

カヤックのスピード以上で流れていることも考えられる。
頑張って北の島の裏を狙うか、最悪、背後に構ええるルソン島へ戻ろう。
次のしきり直しのときには、潮の詳細が自分の体でわかっている筈だ。

海峡横断中、西へ流れるのを抑えながら、進路を北東に向けて進む。

すると地元の漁師が近寄ってきた。

「”%(“&38R=”3R

何か言っているが、わからない。

どうやら危ないから引き返せと言っているようにみえる。

Fuga Is に行くんだ。大丈夫だから」

日本の漁師も、カヤックを見て心配で声をかけにくる。

海の男は、少し怖いが、自然の怖さをしっているだけに優しいのだ。

何を獲っているのか見せてもらうと、カツオを釣っていた。

これを餌に大物を狙っているのかもしれない。

バブヤン海峡横断は、無難に渡った。

北への流れはなく、西への流れと東への流れを経験する。
うねりがカヤックのデッキをあらうこともなく、見通しも良かった。

地元の漁師は、カヌーのような小さい船で走っている。

カヤックと同じ目線で動いているので、衝突するようなことはないだろう。
海は青く澄んでいた。
透明度の高い外洋の海の色だ。

はじめてのフィリピンの島渡りで大変だったことがひとつ。

暑さが酷かった。

日本の南国、石垣島より、高い気温と強い日差し。

少し頭がくらくらする。

熱射病になったら大変だ。

出来る限り、体を濡らし、水を飲む。

体ごと海に飛び込み、頭から全身を冷やす。

クールダウン。

体を伸ばし、捻る、脱力する。

他、気をつけたことと言えば、慎重に進路をとったこと。

潮流の速さと、変化、確かな情報がない場合、

目的地とスタート地点の最短距離を結んだラインをまずは狙ってみる。

逃げ道は、いくつか考えておく。

何時間で流れを抜けられるか?

島の反流をつかめるか?

戻るには、どのラインまでなら可能か?

答えの出し方は、いろいろだが、自分なりの解決方法を持つことが重要だ。

よく長い時間、一人で海を漕いでいて何を考えているのですか。

と聞かれることがある。

「歌をうたってますよ、昔の事や、未来のことを考えたり」

笑って答えているが、実は海のことを考えている時間が長い。

風や波、雲を見たり、微妙な変化を見逃したくないのだ。

危険に足を踏み入れてから、気にしたのでは遅い。

常に、変化を見て、自分の進むべきルートをイメージしている。

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